日曜日の朝。
天気は晴れ。快晴とは言い難い晴れ。
そんな日は気持ちよく外に出てみたり、溜まった洗濯物でも干してみたくなる。
布団なんかも久々に干して、寝るときは俗に言われる太陽の匂いとかを嗅いでみたい。
窓を開けて朝一番の空気を吸う。
都会とは違ってそれなりに緑があるこの地域は、一般的な地域よりも綺麗な空気を吸うことが出来る。
今窓を開けて庭を見ているけど、耳を澄ませば植物が風に揺らされている音とかが聞こえてくる。
時折子供の声やおばさんたちの声が聞こえてくるけどご愛嬌だ。
あぁ、今日もいい日だなぁ。
「説明してくれるよね? あっちゃん」
「―――はい」
やっぱり、あの時話しておけばよかったと今更後悔する。
嫌なことを後回しにすると碌なことがないという典型的な例に僕は体全体でぶつかった。
原作:とむはち 執筆:今井秀平
"delicate blue light -under the blue, blue sky-"
(4)
女心と秋の空、とはよく言ったものだが残念ながら今は春。
そんな春の陽気に誘われているまだ眠たげなエルを僕の隣に座らせる。
僕らの前には拗ねるように、自分のスカートを握り締めながらソファに座る留美。
留美がじっと恨みがましく僕を見ている理由は何のことだかわかっている。
その、なんだ。まだ僕の手にその感触が残っている。それの原因が彼女が怒っている原因だろう。
初めて触ったその感触はなんとも言い難く、本当に触ったのかまだ実感が湧かない。
いや決して胸がなかったということではない。豊満とも言えないことはないだろう。
―――何を言っているのか。
しかもそんな出来事があったものだから、妙に隣にいるエルが気になったりする。
改めて彼女を見ると、やはり僕の服は大きいらしく貸したTシャツがエルを少しだらけているように見せている。
そんなものだから、妙に色っぽく思えてしまうこともあるということで……
「あっちゃん!」
部屋に響くんじゃないかと思うくらい大きな声で僕を呼ぶ留美。
それが自分を現実の世界に呼び戻したのだから感謝すべきなのか、恥じるべきなのか。
間違いなく後者だろう。
そんな大声を出されても寝ぼけ眼で瞼を擦っているだけのエル。
それを厳しい目で留美が見るが、全く気にする様子を見せない。
なんとかその雰囲気を和らげるために言葉を発す。
「え、あ、ごめん。えっと……エルが此処にいる理由、だよね?」
厳しい目は今度は僕のほうに向けられる。そんな気迫を向けられたのは小学校以来だったので少し怯んでしまう。
だけど、もう起きてしまったことはしょうがないのだ。
諦めるしかないと素直に思う。
「エル―――あの子はエルって言うんだね?」
「そー、わたしのなまえはエクアドル=ストレンドー」
喋ることも眠くて億劫なのか、棒読みで自己紹介をする。
セイレーンなどと言おうものなら口を封じてやろうと思ったけど、そんな心配は必要なかった。
「うん。それで、エルはとある事情で家出したみたいなんだ。その原因はまだ言えないらしいんだけど、そんな年頃の女の子を野放しにしていたら今の世の中だから危ないだろ?
朝からこんな話題は嫌だけど、強姦とかね。僕はたまたま本屋へ行く途中で彼女が困った顔をしていたから理由を聞いたんだ。そしたらこの話題が出てきてね。なんとか助けられないかなぁとか思って今日一日泊めたんだよ」
これは事前に考えていた言い訳だ。
なんとなく尤もらしいことを言えば、大抵人間というのは「なーんだ」と安易に納得してしまう。
留美もそのタイプであろうと当初は考えていた。
だが、その考えを裏切り留美はじっと僕の目を見てくる。
「嘘、ついてないよね?」
なんて言ってくる。
心臓の鼓動が早くなるのがわかる。だが冷静に、冷静に。
留美はそういうちょっとした仕草に敏感なところがある。相手を心配する心が強いせいなのかもしれない。
普段はおっとりしていてそんなことはわからないように思えるが、それがギャップ。
彼女は人一倍相手に気を使っている。しかし時には容赦がない。
だからクラス委員や生徒会などに推薦されることもしばしばだ。彼女は断っていたが、僕も彼女はそういう器だと思う。
そんな彼女だから少しの油断も許されない。落ち着いて、まるでそれが真実であることを示さねば。
僕は頷く。至って普通の態度を普通に見せかけるように。
その態度が効いたか、彼女の気迫は和らいでいくのが見えた。
だが、それでは終わらない。
「でも! なんでそのエルさんがあっちゃんの部屋で寝ていて挙句の果てに……え、あ、む、胸を揉んでいたの!」
「揉んでない!!」
「そー、触られただけー」
そのやけにあっさり言ったエルの言葉は部屋の中の空間を一気に重くさせた。
つまり結局は胸に触れていたことに変わりはないと判断され、
「あっちゃんの……えっち」
泣き顔で言われた。
しかもその後、えっちえっちえっち……と何回も言われるのだから質が悪い。
だけど見ていた者にはそういう風にしか見えないので何とも言えなかった。
結局、僕の考えていた言い訳は効果を発揮することはなく、最後には僕が何度も頭でシミュレーションした結果が展開された。
そんな中、その話題の中心人物はというと台風の目の如く、
―――呑気にコーヒーなんぞを飲んでいたりする。
「うるさいなー。いいでしょ、わたしがアツシの家にいたいって言ったんだからー。日本にはそういう自由っていうのが法律で決まっているだよねー?
なら、貴女が口出しする権利はないよー。権利がなければ義務もない。アツシがいていいと言ったならその時点で契約成立。問題はないはずだよー」
コーヒーを一口含んだ彼女は本当に先程まで寝ぼけていた彼女かと疑うくらいすらりと物事を言ってのけた。
確かにそういう自由というのは憲法で決められている。
住居の自由というのがそれに当たるだろう。それになぞるならばエルが此処にいる理由は別に聞く必要はないだろう。
だがそれで留美が納得すると思うと大間違いだ。
スカートが破けるんじゃないかと思うくらい握り締めてエルの方を見る。
「わかってないよ! エルさんは女の子なんだよ、そしてあっちゃんは男の子。今日は未遂で終わったけど男の子がそういう行為に走るのはいつになるかわからないんだからね!
確かに私が口出しする権利はないと思う。だけど女の子を守る権利はある。そんなことが起きないように未然に防ぐ権利は、ある!」
あの、その発言は僕が狼だと完全決定しているようにも聞こえるんですが。
だけどその言葉すらも今は届かない空気の中に僕はいる。
留美はエルをじっと見据え、対するエルはきょとんとした顔で留美を見てる。
「権利には色々あるんだねー。確かにその権利を行使するならルミがわたしを守るのは自然だねー。だけど見ず知らずの貴女が何故わたしを助けようなんて思うの?
それこそわたしがどうしようが自由。助けてもらうのを決定するのも自由。今ルミがしようとしているのは自由じゃなくて強制の類だよー」
「強制だなんて! 私は権利があるから止めているだけ! 最終決定権は貴女にある。だけど貴女はそれでいいの? ……そんな、は、恥ずかしいことされて」
今思ったけど、この二人結構頭いいんじゃないかって思う。
いつの間にか僕はその話に加わることが出来なくなる。
言うなれば口論バトルの傍観者。ただそこにいる観客のようにそれを見る。
その間にも二人の間では感情のぶつかり合いが続く。
片や憤怒の炎、片や冷静の氷。
炎は氷に冷やされる一方だ。最初は溶かされてしまうと思っていたが、氷の出来た空間から流れ出る冷気というのは凄まじかったのだ。
至って普通の反応をするエルに留美が押されている。
留美を言い包める人間を数々見てきたが、初対面でここまで出来たのはエルが初めてに違いない。
そして、青きセイレーンはその綺麗な声で一言発した。
「ルミは、アツシがそんなことするって信じているのかなー?」
それは見透かしたように留美を見る。
その時見せた微笑みというのは、その声と同じように綺麗に輝いているように見えた。
錯覚、だ。
頭を軽く振るとそこに輝いてみえた笑顔はない。あるのは人間の笑み。
人間にしか見えない、と思えた笑顔だけがそこにある。
決して悲しみを満面に振るった、人間には出しづらい笑顔ではない。
留美はエルのそんな笑顔に気を取られて、動きを止めてしまった。最も別の理由もあるのだろうが。
「そ、それは……あっちゃんだからそんなことはしないって信じてるけど―――」
そうして久しぶりに思えるほどの間を経て僕と留美は目が合った。
僕はただ笑ってかえすことにする。こんな場で変だとは思うけど困った顔をすれば彼女もそれを察して困ってしまうだろうから。
それにしても僕はそんなに信用される器なのか。
二人に暗にそういわれているような気がして、少し変な気持ちだ。
その様子を見ていたエルはにこっと笑い出す。彼女の性格どおり元気な笑顔を辺りに振りまく。
「けど?」
「……やっぱり男の子だし、って」
言うと、頬を赤らめて下を向く。
牽制逆転。立場反転。
いつの間にやら責められているのが留美になってしまっている。
それは前々からわかっていたのだが、これが決定打になるだろう。
間が出来た。
「……とりあえず、朝ごはん食べよう」
場が少し落ち着いたところで僕はやっと立ち上がる。
留美は朝食を食べる暇を与えることなく、僕とエルを引っ張って応接間に来たのだ。
引っ張ったというのは力ではなく言葉。気迫に押された、と言えば十分か。
僕の言葉にエルは喜び、留美は渋々頷く。
留美は毎日青山家に来て食べるので、彼女もまた朝食は食べていないのだ。
昨日の夕飯時に思わぬ食欲を見せたエルと、三食きちんと摂らねば気がすまない留美を応接間に置いて僕は台所の冷蔵庫を空け、献立を考えてみる。
いつもならここで留美がやって来るのだが、彼女はエルの観察に余念がない。
じっと彼女をみて何者かを探っているよう。留美の検索サーチエンジンは相手を詮索するのも可能らしい。
そんな視線が送られているのに気にもしないのか、エルはまだかまだかと体を揺らしている。
しかしそれは一時的なものであり、思いついたようにテレビの電源を入れた。
テレビにはいつもの時間にいつものニュースが放送されていた。
僕はテレビの音を耳で聞きつつ、早く作れてお腹が膨れる料理に取り掛かる。
となればおにぎりとかトーストとか、簡単なものになるだろう。
幸い探してみると鰹節やら鮭のふりかけ、梅干のパックがあった。
なんともないおにぎりだが、それでお腹が膨れるなら言うことはない。
エルの食欲を考えつつ、ご飯を炊くことにする。
もちろん砥ぐことは忘れない。
「主夫?」
なんて考えてしまう自分が少し誇らしく思ってきたり。
テレビの音は突然聞き覚えのあるリズミカルなBGMになる。
それは数年前に発売されたパズルゲームの音楽だったような気がする。
当時はかなりのブームになり、今でもコアなファンがいるソフト。
パズルゲームの代表作とも謳われるゲームだ。
何も言わなくてもエルのせいだとわかりつつも、台所から顔を出してみる。
すると、
「む。これだけはあっちゃんに負けたことなかったのに、エルさん強い」
「ふっふー。2時間以上特訓したわたしに勝てるわけがないんだよー」
「わ、私だってこのゲームは1週間以上プレイしているもん!」
「それでもわたしに勝てないんだから意味なしだよ、ルミー」
対戦モードで二人は白熱していた。
そこには先程までの険悪なムードはない。まるで友人であるようにそのゲームにのめりこんでいる。
心配が減ったわけではない。これが終われば険悪になるという可能性もまだある。
だけどその時は、ゲームを通じて友情を深めているようにも思えたんだ。
「なんか、色々考えていた僕が馬鹿みたいだな」
この状況を作り上げたエルを見て僕はそう思う。
セイレーンの力、とかじゃない。これはエルの本当の姿。
彼女の空気が辺りに自然と和やかなムードにさせる。
彼女の笑みが自然と頬を緩ませていく。
時折見せる子供のような仕草が親しみを持たせていく。
これは彼女の性格。これは彼女の在り方。
だから僕は嗤う。
自らを嘲笑う。
なんだ。
「普通の、女の子だよ」
エクアドル=ストレンドという―――少女は。
なんともまぁ、ゲームによって仲良くなったということに自分の存在の無さを嘆きたくなるが、ともかく二人はいとも簡単に心を通じ合わせた。
二人におにぎりを作って寄越すと、二人は同時にコントローラから手を離して各々悩みつつ手に取り食べる。
その間もそのゲームについて会話していたりする。攻略方法とか、連鎖の仕方とか。
セイレーンであるエルに連鎖などの専門用語を理解出来るかと思っていたが、心配御無用、完全に話についていっている。
「つまり。あの連鎖はこぅ……ぱっぱっ、と!」
「うんうん」
「それでー、こう、ちゃちゃっと三連鎖!」
「えぇ! それで出来ちゃうの!?」
わからない。
身振り手振りでエルは懸命に駒の移動を伝えているのだが、僕には全く理解出来ない。
だが、留美には理解出来ているようでそのエルの一日足らずで会得した技術に嘆息の声しか出てこない。
僕もそのゲームにははまったクチで、どうしても留美には勝てなかった。
中学生の時、彼女に休みの度にその挑戦を受け、何度敗北したか……今は数えていた記憶も忘れてしまっている。
そんな留美が嘆息が出るくらいの技なのだ。エルには変な才能があるのかもしれない。
「それで、たらりんどんぴゃっ! で十五連鎖ー!!」
「す、すごい」
んな、阿呆な。
やっぱりエルにはある種の才能があるに違いない。
お世辞でもなんでもない。お世辞なんて言ったら罰当たりだ。
そう、彼女は。
―――いい意味で、典型的な馬鹿なのだ。
ともかく話を戻して、エル居候の件になる。
だが、エルの性格が気に入ったのかその後の留美の態度は急変していた。
あっさり「あっちゃんが責任取るなら、私は」なんて言ってきたのだ。
拍子抜けしていると、留美はくすくすと笑って僕を見る。
「だって、これはもうどうしようもないよ。エルさん、私がどう言おうとしてもあっちゃんを信頼しきっているもん。こうなったら私はお手上げ。
……もうっ、色々波乱を持ち込むのはあっちゃんの性格だからもう何も言わないけど、世間体とか考えないといけないよ?」
その顔は本当に楽しそうな顔をしていた。
少々悲しみを帯びているように見えたのは気のせいか。それほど彼女は明るく振舞っていたように見えた。
それに答えるように僕は頷いて返す。
「善処します」
留美の言っていることは強ち間違っておらず、所在無く頭を掻く。
「もういいよ、あっちゃん。そうやって困っている人を放っておけない性格って結構宝物みたいだと思うよ。そういうところは誇りに持ったほうがいいかも、って思う」
「あー……うん、そうだね」
今更、あれは言い訳ですなんて言えない。言うつもりもないけど、一番信頼できる相手に嘘をつくのはやはり心許ない。
しかしもう言ってしまったことだ。これからはその罪と罰を受けつつ生きることにしよう。
少し誇張しすぎか。
「やったー! アツシと同居ー! アツシと同棲ー!」
―――――――。
何か変な単語が聞こえてきた気がするが。
ゆっくりと留美の顔を覗き見ると、笑ってエルの行動を見ていた。
笑って笑って。手が震えるほど笑っていた。
波乱の嵐は影で出番を待っているのかもしれない。
話を変えるべく、実はこれを聞いていいやらと思いつつも留美に話しかけた。
「そ、そうだ。留美。実は服を貸して欲しいんだけど……」
案の定、留美は僕を訝しげに見たが、すぐ状況を思い出す。
「え。エルさん、服を持ってきていないの?」
「そうみたいなんだ。いや、ワンピースは持ってきていたみたいなんだけどね。他に服がないみたいで」
母さんのを使うという手も考えた。
しかし、服はほとんど研究所へ持っていってしまったらしく残っていたのはもう着る予定ないだろ、と思えてくる高校当時のセーラー服とか何故か巫女服とか何故かチャイナ服とか。
嫌な予感がして、奥を探してみると―――父さんの趣味を疑いたくなった。
ということで母さんの服を当てにしない。金輪際。何渡されるかわかったもんじゃない。
ふーん、と別段不思議に思わなかったのか留美は頷いて了承してくれた。
「服がないってことは……下着、も?」
今度こそ訝しげに僕を見た。
その視線を流して、エルのほうを見る。
その視線に気づき、小躍りしていたのを止め、とととっと駆けてこちらにやってくる。
なに、なに? と目を輝かせて聞いてくるのだがそんな状況じゃなかったりする。
「エルさん。下着も持ってきていないの?」
「ん。……あ、うん。持ってきていないよー」
最初何か理解できなかったのであろう。しばし思案した後、答えを述べた。
そういえば今現在はどうなのだろう……って何を考えているんだ、僕は。
「それじゃあ、私のを貸してあげるけど……その前に、ちょっと来て」
そう言うと、留美はエルの腕を強引に引っ張って家の奥へと歩を進める。
風呂場の前に辿り着くと、付いてきていた僕を険しい目つきで睨み付ける。
その無言のプレッシャーに体が退く。
どうやらここからは僕には絶対知らせたくない聖域らしい。
踏み入れると命の保証が無い。何が起こるかわからない。
僕はそんなみすみす危険に赴くような図太い神経は持ち合わせていないので、ここからは再度傍観者だ。
ただし、先を見ることのない傍観者だが。
エルは何がなんだかわからない顔で、留美は真剣な顔つきで風呂場のドアを開けた。
一世一代の大勝負。
そんな雰囲気が留美には溢れているように思えた。
ドアを抜け、扉を閉める。
勝負開始。
―――そして、彼女は敗北した。
何に負けたのかは最後まで明らかにならなかったのだが、終始留美は「やっぱり……やっぱり……」と呟いていた。
こんな彼女に何をしていたか、なんて訊くことは出来ない。
彼女の周りに黒い空気が流れるのをなんとなく理解できたから。
しかし、そこからが留美の気力。
一旦深呼吸をすると、一気にその黒い空気を払いのける。見えないのだがそう感じた。
「あっちゃん! 私、負けないからね!」
だから何をですか。
意気込んだ留美を止められず、彼女は僕に挨拶すると家からかなりの速度で出て行った。
未だ状況判断出来ていない僕の耳に、風呂場のドアが開く音が聞こえた。
そちらを見ると、苦しげな声を上げたエルがそこから出てきた。
「うー。痛かったー」
そう言う彼女は、胸を隠すようにして出てきた。
ちなみに服は着ている。着てないと困るだろ、色々と。
どうした、と言う前にエルは苦しげな顔で僕を見てきた。
「ルミが、わたしの胸をぎゅぎゅって目盛りがついた紐で強く縛りつけたんだよー。痛かったー」
予想はしていたのだが、頭が痛くなる。
女の子って、やっぱりわからない。
ソファに座って天井を仰ぎ見る。
やっぱり、留美とエルの闘争はもうしばらく続きそうだ。
「それでねー。胸を揉んで―――」
「もういいから」
修羅場なんて書けるかっ。
修羅場じゃなくてこれじゃあ口論じゃねぇかっ。
とかツッコミどころありまくりですが、とりあえずこれで第1ラウンド終了です。
第2ラウンドは……書くかなぁ(ぇ
さて、次はカマとそのメイドのお話。
エル奮闘す、の巻。
相変わらずあっちゃんは傍観者です。こんな、こんなメンバーってっ。
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