怪談話



 夏休み、3年生になった俺達は受験勉強にいそしむはずもなく
 毎日ダラダラと過ごしていた。
 そんなある日の出来事である。
「暑い・・・・・・」
「そうだね、ものすごく暑いよ」
 リビングでクーラーにでも当たろうかと考え、2階から降りてきたがよく考えたらクーラーは修理中で今は扇風機しかなかった。
 仕方ないのでソファーの上にうつぶせに倒れぐでーっながら名雪と話をしていた。
「この町は夏も冬も両極端じゃないのか?」
「そんなことないよ、今年はいつもよりちょっと暑いだけだよ」
「この暑さでちょっとって・・・・・・」
 その時真琴が入ってきた。
「あうー、祐一暑いー」
「あー、分かった分かった余計暑苦しくなるからあっち行ってろ」
「なによー、ふん、いいもんぴろと涼んでくるから。ね、ぴろ」
「にゃー」
「あ、ばか! 名雪がいるのにぴろ連れてくるんじゃない」
「あ、そっか。ごめん名雪・・・・あれ?」
 驚きの表情のまま真琴は固まってしまった。
 俺はその原因を確かめようと名雪の方を見る。
「名雪・・・・おまえ・・・・」
 その時ぴろが名雪の頭にのっかった。
「にゃーにゃー」
「ねこさんだーねこさんだーかわいいなー」
「・・・・アレルギーがでない・・・・・」
 不思議だった、アレほどすごいアレルギーも珍しかったのだがそのアレルギーが出なかったのだ。
 これを驚かずしてなにを驚けというのだろうか。
「名雪お前どうしてアレルギーでないんだ?」
「え? ほんとだ。何でだろ?」
 名雪自身にもわからないらしい。
 しかし名雪にしてみれば今までアレルギーのためにいつも触れなかった猫に触れているのだからどうしてアレルギーがでないとかそういう事はどうでもいいらしい。
「謎だ・・・・・・」
「でもよかったじゃない。名雪もぴろと遊べるようになったんだもん」
「ま、それもそうか」
 俺はその疑問より暑さの方が気になってしまったのでこの話はここで終わりにした。
 しかし、それより気になることがあった、それは
「真琴、おまえさっき『ぴろと涼んでくる』って言ったよな? 俺達を差し置いてどこへ行こうとしたんだ?」
 俺はなるべく真琴にこの怒りが伝わらないように感情を抑えながら聞いてみた。
「それはね・・・・」
 真琴はなにやらごそごそとかばんをあさる。
「これよっ!」
 そういって取り出したのは1冊の古ぼけた雑誌だった。
「は?」
「は? じゃないわよ。これこれ、ここんところよく読んでみなさいよ」
「どれどれ・・・・・『この夏おすすめの激甘デザートの数々』? こんなんで涼しくなるのか?」
「そこじゃないわよ! こっち」
「『これで今年もばっちり!読者投稿による夏の怪談話』ってこれか?」
「ふふん、すっごいんだからね。これをするだけで寒くなるって書いてあったんだから」
「あのなぁ、これは一人でやるもんじゃないぞ。何人かで集まってやるから涼しく感じるってことだからな」
「えっ? そうなの・・・・・残念」
 急にしょぼんとしてしまう真琴
「よし、俺達でやるか!このままぐーたれててもしかたないしな」
「ほんと!?」
「ああ、俺と真琴と名雪の3人でやろうぜ、たまにはいいだろ」
「うん、ありがと祐一」
「名雪もいいよな?」
「ねこーねこー、うんいいよー、ねこーねこー」
 はたして本当に聞いてるのか?
 ま、それは置いといて・・・・・・
 俺はさっそく準備にとりかかる。




 こういうことは雰囲気が重要だから俺はまず部屋を真っ暗にした。
 そしてローソクを何本も用意した。
 さすがに百物語をするのは辛いのであくまで雰囲気を出すためだ。
 準備がすべて整ったら名雪と真琴とぴろの3人と1匹でテーブルを囲み怪談話をはじめる。
「さて、それじゃ最初は真琴だな。ほれ話してみろ」
「話すって何を?」
「は? お前怪談って何か知らないでやろうとしてたのか?」
「うん、あの本をぴろと一緒に読めば涼しくなるんじゃないの?」
 ・・・・・・・・脱力
 しかしここでめげてしまってはせっかく用意したこの舞台(?)が無駄になってしまう。
「仕方ない、名雪お前先に話してくれ?」
「うにゅ・・・・わ、びっくり部屋が真っ暗だよ。祐一、何かあったの?」
「名雪・・・・・・寝てたな。仕方ない俺から話すか」
 俺はゆっくりと二人の顔を見渡してから顔の前で腕を組み話し始めた。
「この話は俺の実体験なんだがな、今まで話すのが怖くて誰にも言ったことがないんだ」
 ゴクリ
 だれかが息を飲む音が聞こえる。
 よしよし、はまってきたな。
「そんなに昔の話じゃなくてつい最近のことなんだが俺がいつものように学校がえりに商店街によったときのことだ。」
「ふいに甘いものが食いたくなってな、喫茶店に寄ったんだ。」
「そ、それで?」
「うむ、それは俺が席について注文をおえたあとの事だ。俺は何気なく店内を見ていたんだ。」
「するとな・・・・・なんとイチゴサンデーを5杯も食べてるやつがいたんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・くー・・」
「って、お前達怖くないのか!? イチゴサンデー5杯だぞ5杯! 俺なんか1杯食っただけでヘタすると吐き気をもようす位の量なんだぞ!」
「祐一、それわたしのことだね?」
「うっ!」
 痛いところをつかれてしまった。
 確かにこの話は名雪のことを言っていたのだが、さっきまで寝てると思っていたので真琴に聞かせようと思って話していたのだが
 まさか名雪が起きていたとは・・・・おそるべし。
「い、いやまあその、なんだ・・・・・わかった俺が悪かった名雪。別の話にするから許してくれ」
「うん、イチゴサンデー10杯で許してあげるよ」
 おいおいイチゴサンデー10杯って一度に食う気か?
 ここで突っ込みを入れると本当に『うん』と言いかねないのでやめておく。
「祐一・・・・」
「どうした? 真琴」
「イチゴサンデー5杯ってそんなに怖い?」
 どうやら真琴もよくわかっていないようだ。
 まあいいそれは置いといて。
「それじゃ次の話だ。これも俺の実体験だが、今年の冬の話だ。」
「それって祐一がこっちに引っ越してきた時の話だよね?」
「ああ、こっちの冬ってすごく寒かったよな?」
「うん、祐一の住んでた町に比べればずいぶん寒いと思うよ」
「だよな、今度の話はそんな寒い季節に、雪が残る場所でアイスクリームを食べる少女の話だ!」
「そんなこと言う人嫌いです」
「そうそう、口癖がそれだったな・・・・って栞! なんでお前がいここに?」
「なんだか呼ばれてるような気がしたんです」
「わ、栞ちゃんだよ、ね?」
「祐一ー、この人だれー?」
「祐一さん続き、聞かせてくれますか?」
 一見するとにっこりと笑顔で栞は言っているがよく見ると怒りのオーラのようなものがうっすらと浮き出ている。
 まずい・・・・・このままでは俺は間違いなく彼女の餌食になる。
 それだけは何とかして回避しなくては・・・・・・
「というのは冗談だ。今の話はよく考えたら怪談話じゃなかったんだ」
 俺はさりげなく話をそらした。
「んで、だ。別の話なんだが。怪談といえば定番のあれがあるだろ?」
「あ、あれって?」
「学校モノだよ。学○の怪談」
「祐一、こっちに転入してきたのにそんなこと知ってるの?」
「あうー、定番ってなにー?」
「祐一さん、私学校にそんな話があるなんて知らなかったです」
「まあまああせるな。今話してやるからな」
 俺は少し興奮気味になっている栞をなだめつつ内心話がうまくそれてほっとしていた。
 名雪もそんな話ははじめて聞いたという風で真剣に聞こうとしている。
 真琴もどんな話をするのかと目を輝かせている。
「あれはだな、毎日昼に出没していたんだ。」
「「「・・・・・・・・」」」
「名雪と栞は知っているが、うちの学校って昼飯はたいがい学食か教室で購買ってのが大半だったろ?」
「うん」
「はい」
「中には弁当ってのもいる。ところがだ、その”彼女”はその弁当箱がとてつもない大きさらしい。」
「どれくらいでかいかって言うと、そうだな。ぴろが何匹も入っちまう大きさって言えばわかるか?」
 コクン コクン コクン
 どうやらわかってもらえたらしい。
 ここで一気に話を盛り上げていけば成功だ!
 そう思った瞬間”それ”は俺の喉もとでキラリと輝いた。
「・・・・・祐一、佐祐理の悪口は許さない・・・・・」
「ま、舞・・・・・・どうしてここに?」
「祐一が佐祐理の悪口を言っていると思ったから・・・・・」
「あははーっ祐一さんお邪魔してますよ〜。でも佐祐理の悪口ですか? あははーっ佐祐理は全然気にしてませんから。舞、どこから出したかわからないけど、その剣離してあげて下さいね」
「・・・・・佐祐理がそう言うなら」
 そういうと舞は剣をおさめた。
「た、助かった・・・・・」
 思わず喉の辺りをさすってしまう。
 どうやらどこも切れていないようだ。
「祐一さん、一体何のお話をしていたんですか?」
「い、いや何でもないぞ。うん、断じて佐祐理さんの悪口とかそういうのじゃないからな」
「あははーっ大丈夫ですよ。全然気にしてませんから、ね? 舞」
「・・・・・(こくん)」
「そうだ祐一さん、また今度佐祐理の作ったお弁当食べてください、腕によりをかけて祐一さんのだけ激カラにしますから」
 ・・・・・・・・それはほんとに怒ってないんですか?
「・・・・・・それじゃ別の話を」
「あれ? 今の話は?」
「そうですよ、祐一さん今の話の続きはどうしたんですか?」
「あうー! 続きが気になるじゃないのー」
「うっ! と、とっておきの話をしてやるから今の話は忘れてくれ」
 そういってみんなの顔を見渡す。
 どうやら大丈夫みたいだ。
「さて・・・・・・この話で終わりにするが本当にとっておきの話だ。今のうちにトイレにいきたいやつは行っておけよ」
 誰もトイレには行こうとしない、しかし妙な緊張感が場を包んでいた。
「・・・みんな大丈夫みたいだな。この話は知り合いから聞いた話なんだが、この町で実際にあった話らしい」
「らしいってのは実際にそれを体験した人がこの町からいなくなっちまったからだ」
「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
 よしよし、ちゃんと全員俺の話を真面目に聞いてるな。
「その男の人はごく普通の会社員でな、今日みたいな暑い日でその人は大の暑がり、外回りの仕事の間中『暑い暑い』って唸ってたらしいんだ」
「そして残業も終わり暗い道の中その人は家に帰ろうと急ぎ足で歩いていた・・・・・」
「すると不意に声をかけられた『もしそこの方・・・』男はもちろんびくっとした。そりゃそうだ、誰もいないと思っていた道でいきなり声をかけられりゃ誰だってびっくりするからな」
「男は声のしたほうに振り向くとそこには頭からすっぽりとマントのようなものを被った人が立っていた、暗くて男か女なのかもわからない・・・・・」
「『何か?』男がそうたずねるとその人は『あなた暑がりだそうですね?ここによく効くお薬があるからおひとついかがですか?』と言ってきた」
「男はもちろん怪しんだ、暑がりに効く薬?そんなものがあれば苦労しない、この人はおおかた酔っ払いにその薬とやらを売りつけているんだろうと男は考えた」
「しかし、そんな薬を今まで売っていてつかまっていないということはもしかしたら本当に効くのかもしれない、男はそうも考えた」
「そこで男は安かったら買ってみようと思い値段を聞いてみた『それはいくらだ?』『500円になります』『安い、買った』男は考えるまもなくその薬を買っていた」
「『その薬は寝る前と起きた時にスプーン1杯だけ飲んでくださいね。それ以上だと副作用がありますから・・・・・』『わかった、今日帰ったらさっそく試してみるよ』」
「男はそう言うと自分の家に帰ってきた、男はまだ独身、待っていてくれる人もいないからさっさと眠ることにしたんだ。そしてその薬を試してみることに・・・」
「薬のビンをあけると中にはゲル状の薬が、『変わった味だな』男は良薬口に苦しという言葉を思い出しながらそれを口にした。」
「するとどうだろう10分ほどすると体が冷えてきたではないか、今日は熱帯夜でさっきまであんなに暑苦しかったのが嘘のようだ」
「男は喜んでその日は快適に眠ることができた。そして次の日の朝、男は言われた通りにスプーン1杯だけ薬を飲んでから仕事に出かけた」
「薬の効果なのだろうか男はその日1日外回りの間中涼しく過ごせたのだ、しかし午後3時をまわったころ、急に薬の効果が切れたんだ」
「それどころか薬を飲む前に感じていた暑さよりずっとずっと暑く感じるではないか。男は今にも暑さで倒れそうになった。そしてあまりの暑さで我慢できなくなりその日は早く家に帰った」
「我慢できなかった男はすぐに薬を飲んだ、やがて薬の効果があらわれ始め体はまた涼しくなっていった」
「男は『ああ、この薬の効果が途中で切れるとあんな風になるのか、だけどこの効果を途切れなく持続させられればなぁ』と思った。そこで何を考えたのかその男は次の日の朝スプーン2杯分薬を飲んでしまったのだ」
「『副作用って言ってもそんなにひどいことじゃないだろう』と考えたからだ。そしてその日は夜まで涼しく過ごせたんだ」
「そんな日を繰り返していたある日男は出張で遠くに出かけることになった。この町よりも南にある町だったからここより暑いだろうということだった」
「そこで男は何を考えたのか出張の前日スプーン2杯分ではなくコップ1杯分もの量を飲んでしまったのだ。」
「『これで1週間くらいは涼しいままだろ、よかったよかった』男はそのまま眠りについた。そして真夜中、男は足に感じた違和感のためにふと目を覚ました」
「『何だ?』男は自分の足を見てみた、すると・・・・・・・・自分の足がすごいスピードで凍っていくではないか!! こんなことありえるわけがない!! 男はそう思ったが目の前にあるのは紛れもない真実だったのだ」
「男はなんとかその足を引きずりながら風呂場にいって溶かそうとした、その間にも足はどんどん凍っていく! そしてなんとか風呂場にたどりついた男はさっそくお湯を足にかけた」
「しかし凍りはとけることなくその凍っていくスピードを緩めることなくどんどん凍っていった」
「『そ、そうだ注意書き!』男は上半身を使って薬のビンがあるところまでいき注意書きをもう一度じっくりと見てみた、この状況を何とかする方法があるはずだと思ったわけだ」
「そしてそこに書かれていたことは『尚、服用量を間違えますと体が足から凍っていきますので十分ご注意ください。治療方法もありませんので凍り始めたら諦めてくださいね♪』『い、いや♪って言われても』」
「そこまでいって男が気がついたときにはもう首まで凍っていた。そして男は意識のあるままゆっくりと全身が凍ってしまったんだ・・・・・・・・」
「これが俺の知っているとっておきの話だ・・・・・」
 そこまで言って俺は全員の顔を見てみる
「・・・・・・・・・・くー」
 名雪は眠ってしまっていた。
 恐怖に勝てなかったんだろう。
 これはこれで俺の勝利と言う事で・・・・・
「・・・・・・・・・・・」
 栞は完璧に気絶している。
「なんか、あんまり涼しくならないね? ぴろ」
「にゃー」
 真琴とぴろは途中から聞いていなかったんだろう2人(?)でじゃれあっていた。
「・・・・佐祐理、大丈夫?」
「ええ、ちょっと怖い話でしたね。佐祐理ドキドキしてしまいました」
 舞と佐祐理さんは・・・・・まあ妥当なところか。
「・・・・・・・・・・祐一君、今の話本当?」
「ああ、もちろん本当さ。実はこの話には続きがあって後日その男は体中凍傷状態で目がさめたってことだ・・・・・ってなんでお前までいるんだ?」
「うぐぅ・・・・秋子さんと一緒に買い物いってたの忘れたの?」
「そういえばそうだったな、ところで秋子さんは?」
「秋子さんなら祐一君の話を聞いたら『やることがあるから』っていってどこか行っちゃったよ」
「そうか、ま、なんにしても怪談話おもしろかったな」
「うん、ちょっと怖かったけどおもしろかったよ」
「ちょっとってお前怖いもの苦手じゃなかったっけ?」
「うぐぅ・・・祐一君のいじわる」
「ははははは」
 その時何物かが俺の背後に立った。
「!」
「なんだ秋子さんか、どうしたんです? いきなり後ろに立つなんて」
「うふふ、祐一さん今の話おもしろかったですよ」
「はあ、そりゃどうも」
「でもね・・・・・・・・・世の中には知らないでいたことの方が幸せなことがあるって知っているかしら?」
「な、なんの話です?」
 秋子さんは俺の質問に答えず笑顔のまま無言で後ろ手に隠していたなにかをスッと差し出してきた。
「これはなんですか?」
「あらわからないかしら? 今祐一さんが話していたじゃないですか」
「え? ま、まさかぁだってあの話は作り話で・・・・」
「うふふ、作り話? そうね、半分は違っていましけどあれは実際にあった話なんですよ?」
 そう言うと秋子さんはゆっくりとビンのふたを開ける。
「その話は覚えていてもらうと色々とめんどうなんですよ。皆さんの記憶を消させてもらいますね」
 秋子さんが言い終えると同時にビンのふたが開いた。
 そして中からものすごい勢いでなにかが出てきた。
「うっ!」
 そしてそれは俺の口の中に入ってきた。
「あ、秋子さん・・・これは一体・・・」
「だからさっきも言ったじゃないですか、これは”暑がりによく効くお薬”ですよ」
「そ、そんなバカな・・・・・」
 まわりのみんなのことが気になって苦しみながらも周りを見てみる。
 そこには氷柱の中に閉じ込められた全員がいた。
「あ、秋子さん・・・・・・・・・」
 やがて薄れゆく意識の中で俺はひとつの答えを導き出した。
『この人を敵に回したら生きていけない・・・・・』
 そこで俺の思考は止まってしまった。




「う、ううん・・・・・・・あれ?」
 暑い日差しが照りつける中、目を覚ますと俺は知り会いの連中みんなとリビングルームで雑魚寝していた。
「あら、目を覚ましたんですね祐一さん」
「秋子さん、あれ?もしかして俺達みんな寝てました?」
「ええ、あんまり気もちよさそうに寝ていたものですから起こすのも忍びなくて・・・・」
「そうだったんですか、すみません。ところで何をやっているんですか?」
「ああ、お夕飯の準備をしていたんですよ」
「夕飯・・・? あ、もうこんな時間ですか? ほら名雪起きろ、みんなも起きろよ」
「あらあら祐一さんもう少し寝かせてあげててください。みんな疲れてるみたいですから」
「そうですか・・・それにしてもこの町ってこんなに暑かったですか? なんかものすごく暑く感じるんですけど・・・・」
「そうかしら? あ、それじゃこのジャム食べませんか? 新しく作ったんですけど今度は薬用効果まで考えて作ったんですよ?」
「へえ、どんな効果なんです?」
「うふふ、それは食べてから教えますよ」
「そう、食べてからね。うふふふふふふふふふふふ」




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