さぁ、ここで問題だ。
 築20年、六畳一間の家賃3万木造アパートの一室。
 そこが俺の城、俺の部屋である、現在一人暮らし中。
 そんなある日…すぐ隣に知らない人がいたら、俺はどう対処すればいいんですか?


 隣には幸せそうに寝ている女の子…寝間着は俺のTシャツを着て寝ている。
 …まったく知らない、つか誰だこの娘は?
 俺は必死に脳内ビデオを巻き戻し、鮮明に再生しようと試みる…が、モザイクがかかったみたいに不鮮明な画像しか映せない。
 何故だ、何故こんなに昨日の記憶が曖昧なんだ!?
 俺はさらに脳内ビデオの巻き戻し、再生を何回も繰り返す。しかし、結果は一回目と同じ不鮮明な画像しか映せない。
 俺は自棄になってさらに古い記憶を引き出し、巻き戻しと再生をしてみる。
 すると、3日前の記憶に昨日に関する情報があった。




『なぁ、明後日の飲み会、お前どうする?』
『そりゃ、もちろん行くぜ。何たって今回はあの人が来るらしいからな』
『あの人?』
『あの人はあの人だよ。それより、お前は来るのか? まさか幹事が来ないわけないよな?』
『お前らが勝手に決めたんだろうが…まぁ、明後日は暇だし、行くぞ』
『おぅ、遅刻するなよ』
『そりゃ俺の台詞だ。…お、そろそろ休み時間が終わるな。じゃぁな』
『あぁ、じゃぁな』




 …思い出した。
 昨日、俺は悪友に騙されて飲み会に(半強制的に)参加させられたんだ。
 思い出すとだんだん腹が立ってきた、あのアホに今度会ったら千年殺しをかけてやる。
 そんなくだらない事を考えているとき…隣の娘がもぞもぞと動き出した。
 体をくねらせて、手足をジタバタさせている。どうやら彼女は寝相があまり宜しくないらしい。
 ヒュッ…風切り音がすると同時に俺の腹と顔面に衝撃。
 俺は声にならない叫びを上げる。いや、奇声と言った方が正しいか。
 彼女が俺の顔面に拳、腹に踵を当ててきた。マジで痛い。あ、鼻血の感触。
 彼女は何も無かったように大の字になって眠りこけている。
 こいつ、叩き起こしてやろうか?
 しかし、彼女の幸せそうな寝顔を見ると起こすのを躊躇われる。
 しばらく考えた後、面倒になって俺は彼女の横に大の字になって寝そべり、寝ることにする。
 まぁ、あんまり考えなくていいか。




 その後、起きた娘によって警察が自宅に来て、逮捕されそうになったのは別の話。








 続く





後書き

拓海です。思いつきで書いたSSです。馬鹿SSです(笑
たぶん続きます。続けます(ぇ

    →つぎへむかう


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